マテバシイというドングリは、小さい頃の私にとって特別な実でした。
細長くってツヤツヤしていて、あまり見かけない形の実!
その上、子供向けのどんぐりの本に
生で食べられる。
って書いてあった!
他のドングリは重曹を入れて何時間も煮てアク抜きをしなければ食べられない中で、マテバシイとスダジイは生で食べられるとか!
すごい!食べられるんだ!ドングリが食べられる!私はワックワクしました!
当時住んでいた団地の庭に1本だけマテバシイが生えていたので、ある秋の日、ドキドキしながらマテバシイを拾って食べてみたら・・・
渋ーーーい!!
なんだこれ渋い!こんなの食べられないよ、本に書いてる事に騙されたー!!
・・・と、思ってから早ン十年。
大人になって味覚も変わり、ピーマンどころか渋柿ですらガブリと噛める私になりました。
あの日渋かったマテバシイにリベンジするべきではないですか!?
果たしてマテバシイは美味しく食べられるどんぐりなのでしょうか!?
マテバシイの特徴は?
マテバシイの木は常緑で、葉っぱはツヤツヤでかなり大きいです。他のドングリの木との見分けは容易につきます。実は直径1~2cmで細長く、ドングリゴマやヤジロベエ、リースなどのクラフト材料にもピッタリです♪
調べてみたところ実の特徴は
・多少の渋味はあるがアクが少ない
・味は栗に似ている
・生で食べられるが、普通は炒る等して火を通して食べる
・9月~10月が収穫時期
なるほど!
マテバシイの収穫時期は?
下の写真は8月末の様子ですがまだ青く落ちる様子はありません。
9月11日、実が落ち始めていたので拾ってきました!
マテバシイの収穫時期は、一般的に9月~10月となります。
マテバシイの実は生で食べられるのか?
私にとってとても大事だったのが、マテバシイの実が生で食べられるのか否かという事。子供の頃読んだ本に書いてあった「マテバシイは生で食べられる」という話が、嘘かホントかという重要局面です。
子供の頃には「嘘つき!渋い!」と思いましたが、ドングリ本の筆者が大人であれば、苦い食べ物に舌が慣れていた可能性があります。子供の頃の鋭敏な舌には渋くても、大人になった私には食べられるかも!?いざ、実食です!
ガリッ。
あ・・・。歯で軽く噛んで皮だけ破るつもりが噛み砕いてしまいました・・・・
でもその分食べやすくなった!!
・・・はず?
中の実のお味はどんなもの?ワックワクしながら口に運ぶと・・・
渋くない!!
渋くなかったですよ!皆さん!!
心の中でガッツポーズした私ですが、でもまぁなんというか・・・食味として優れているわけではない感じです。なんというか粉っぽくて、2個目をどうぞと言われても食べようとは思わない程度の味です。考えてみると栗の実だって生で食べたりしないよなぁーと思いつつ食べ進めていたら
渋ーーい!!
いや、渋い。どこが渋い?マジで渋い!!
ドングリの先端の部分が渋かったのかな?
子供の頃の私がこれを食べたら相当渋かったろうなぁーと思える渋みがきました。
でも、渋さで言えば、生の胡桃を食べた時に実の周りの薄皮もかなり渋いけど、私は騒がず食べるんですよねぇ・・・?つまり、渋い渋いと思うのは、
渋さをカバーするうま味がない?
と、いうことで納得!
生食は可能だが美味しくはない
と割り切って、加熱して食べてみる事にしました!
マテバシイを圧力鍋で蒸してみた!
洗ったマテバシイを圧力鍋で蒸してみました。
茹でてもいいし、炒ってもいいなと思ったのですが、味は栗と似ているという情報があったので、栗なら焼き栗より茹で栗のほうが好きだし、茹でるより蒸すほうが風味が残りそう♪という判断で蒸しマテバシイを作ります!
下の画像は蒸す前のどんぐり!
蒸し終わったのがこちら!
少し色が濃くなり表面がツヤツヤに!なにこれキレイ!
圧力は、鳥の軟骨が軟らかくなり食べられるくらいの時間でかけたので、イメージ的には天津甘栗のように指でパキッと割れるはずでしたが・・・そんな期待をした私はおバカさんでした。
指でパキ!どころか、
包丁ですら歯が立たねぇ!!
包丁だから歯じゃなく刃か!?
いやそんなことよりこのまま無理をすればやられるのは確実に自分の指!!
でもご安心を!そんな時のために我が家にはくるみ割り器があるのです!
普段使わないから探し出すのに時間がかかりましたけど!
マテバシイがほそいから、これで割れるのかなって心配したけど
ほら、割れた~!!割る時に、くるみ割り器を置いて使うのがポイントです。宙に浮かして挟もうとするとツルッと滑って逃げられます。一度挟んで割ったらマテバシイを少しずつ回転させて全体に割れ目を入れると殻が剥きやすい!
中身を確認してみると・・・チョコレートみたいな茶色い色になっています!
まるでカカオみたい♪
左が中身で、右が殻!
白かった中の色が、殻と同じような色になりました!
中身もすっかり茶色になってます!でも・・・あれ?これってあれに似てない・・・?
天津甘栗!
とにかく温かいうちに食べてみます!
パクッ!
あ・・・
うん・・・。
マテバシイの味は栗に似てる…
ケド。
茹でた栗を半分に割ってスプーンですくって食べたことがありますか?
私はあれが結構好きなんですが、たまに傷みかけて茶色くなって、甘くないなぁーって栗がありますよね?マテバシイはまさにその
栗の味。
甘味や風味が全然ないとは言わないんですよ。目を閉じて食べることになったら、天津甘栗を食べさせられたのかな?って思うはずです。でも印象は
甘栗の美味しくないヤツ。
・・・と、思いながらも次々皮を剥いて食べたんで・・・
食べられないほどマズイ!ってことではないけど
食べたくなるほど美味ではないね・・・。
もうちょっと美味しい食べ方がありそうな食材かなぁ~と思いました!
蒸しマテバシイは温かいうちに食べ切ろう!
ちなみに、マテバシイを全部食べ切る前に子供を習い事に送って行ったので、帰ってきたらすっかり冷めていました。なにも考えずに割って食べたら、うわぁ、なにこれ!パッサパサ!味は更に薄くなり、水分無しには飲み込めない!蒸しマテバシイは、
温かいうちに食べ切るのがおススメ
です!
マテバシイの食べ方 まとめ
・落ちてすぐの新しい実を拾ってこよう
・圧力をかけても殻は軟らかくならないよ
・加熱すれば渋くはない
・見た目は甘栗みたい
・味は薄ーーーい栗
・冷めるとパサパサ!温かいうちに食べよう!
評価:好んで食べたい美味しさではないですが、食糧難の際には救荒作物として活躍してくれそう!中国や韓国では、ドングリを粉にして麺や豆腐などの加工食品として使っているようなので、マテバシイも単品で食べるのではなく甘味を加えるなど、加工して食べると美味しいかも!次回があれば、炒りマテバシイにもチャレンジしたい!